マキャベリが経営アドバイスをするとしたら
マキャベリズムの語源にもなった、ニッコロ・マキアヴェッリ(マキャベリ)。
簡単にどんな人物であったのかまとめます。
Nicolò Machiavelli (1532) Il Principe 『君主論』(河島英昭訳、岩波文庫、1998年,p.359)
(引用は訳者の解説部分です)
「1498年5月28日、前述のごとく、29歳になったばかりのマキアヴェッリは、フィレンツェ政庁第二書記局員に採用され、6月15日には、第二書記局長に選任され、さらに7月14日には《軍事十人委員会》担当の書記官にもなった。」
(上掲、p.365)(引用は訳者の解説部分です)
「軍事問題とその状況視察のために、各地へ赴いて、《軍事十人委員会》に数々の提言と報告を行った。」
(上掲、p.366)(引用は訳者の解説部分です)
用は外交官と言っていいですね。
「こうして、マキアヴェッリの公人としての歳月を振り返ってみると、私たちの《フィレンツェ政庁書記官》は、文字どおりに東奔西走し、公務に忙殺されつつ、14年間を過ごした。」
(上掲、p.371)(引用は訳者の解説部分です)
まとめるのが難しいですが、年に何回も外国へ視察しに行き、その状況と自分の見解をフィレンツェ本国へ報告したという感じです。
その後の人生は、地下牢に閉じ込められ、散々な目に合ったり(一か月弱で釈放されすが)あまり幸福ではなかったようです。
すみません。はしょり過ぎましたが、長くなりそうなので本題へ。
テーマがマキャベリが経営アドバイスをするとしたらなので、あなたが会社を経営している社長だとします。
「なるべく少なく味わうことによって、なるべく少なく傷つけるように、加害行為はまとめて一度になされなければならない。けれども恩恵のほうは少しずつ施すことによって、なるべくゆっくりと味わうようにしなければならない」
(上掲、p.72)
ここでは君主が臣民に対してどのように振る舞うべきか、書いてあるわけですが、君主を社長と置き換えると、
「給料を減らすとか、従業員が文句言いそうなことは一気に行って、逆に給料を上げるとかは少しずつ、何回にも分けてやるといい」
とか言いそう。
実は、引用は虐殺とか、極悪非道なことについて書いてある章から取ったものです。
従業員の給料を下げることは極悪非道とまでは言えませんが、悪事は一挙にやってしまうのがいいと書いてあります。良くないのが、
「初めのうちはわずかな残虐であったのが、時と共に消えるどころかそれが募っていってしまう場合である。」
(上掲,p71)
従業員にしてみれば、給料がだんだん減らされたら、不安になるし、経営者に対して不満が募る。
給料上げたり、有給取りやすくするとかは少しずつ分けて行って、ありがたさをゆっくり味わうようにした方がいい。
人間悪いことが続くと耐えられませんよね。どうせ悪いことをするなら一挙に済ませてしまいましょう。
引用ばかりになってしまいましたが、マキャベリシリーズこれからも何回か続けようと思います。
それではまた!